海洋事業
海洋事業では、創業から長年培った技術とノウハウで漁業に関する一切を提供しています。
ニチモウでは海域の環境保護などにも配慮した漁具・漁網の研究開発をおこなっており、国内外の水産業の更なる発展に尽力しています。
また、その技術を活用して陸上分野にもネットを提供するなど、多様なニーズに対応しています。
さらには、官公庁と協働しての漁業者支援にも注力しています。
海洋事業では、創業から長年培った技術とノウハウで漁業に関する一切を提供しています。
ニチモウでは海域の環境保護などにも配慮した漁具・漁網の研究開発をおこなっており、国内外の水産業の更なる発展に尽力しています。
また、その技術を活用して陸上分野にもネットを提供するなど、多様なニーズに対応しています。
さらには、官公庁と協働しての漁業者支援にも注力しています。
ニチモウの注目製品
ニチモウの提供している漁網は、船舶や魚種、海域に合った仕様で、漁業者の収益性向上と漁獲効率の向上を追及しています。
他にも、陸上分野向けに耐久性に優れ、線径が細く圧迫感のないネットを提供しており、メジャーリーグのスタジアムのバックネットにも採用されるなど、さまざまな施設で使用されています。
また、用途に応じて太さや強度、カラーなどが異なるロープ類をグループ会社と連携し、製造・販売をしています。
海上機械資材とは、資源管理と漁業の効率化を実現する漁労システムをはじめとする、船舶用機械や船用品を指します。
ニチモウでは、これまで培ってきたノウハウと最先端テクノロジーを結集し、船体一括でのご提案を含め、漁業者のニーズに幅広く応えた海上機械資材を提供しています。
海洋事業部門では、官公庁関連事業にも積極的に取り組んでいます。
水産庁が主導する「もうかる漁業」や「がんばる漁業」などの事業に参画し、収益性重視の操業・生産体制へと転換する取り組みの一助となっています。
また、ODAの一環で開発途上国の水産業の発展に貢献するため、漁具全般の供給や漁獲指導などをおこなっています。
当社の研究開発室では実験用水槽を活用して、トロール漁業やまき網漁業用の漁網・漁具を中心に、顧客の求める最適な機資材の研究・開発をおこなっています。
中でも、ニチモウ独自の無結節網である「UC(ウルトラクロス)ネット」は世界各国の漁業者に使用されています。
活魚に電気で刺激を与えて瞬時に動きを止め(鎮静化)、活〆作業時の労力の低減と水産物の筋肉疲労を抑制できる「活魚鎮静化装置」を開発しました。
※農林水産省・革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)「養殖ブリ輸出促進」事業における国立大学法人鹿児島大学・木村郁夫教授との共同研究開発、および国立研究開発法人水産研究・教育機構水産大学校・前田俊道教授との共同研究開発。
生分解性プラスチックを用いた海洋資材(漁網・ロープの漁具材料やイカ針、タコ壺、カキ管、土嚢袋・フロートカバー(フィルム)等)を開発しています。海洋環境における分解性を有する生分解性プラスチックを用いた海洋資材であれば、損傷あるいは荒天によって海に流出した際にも、近年問題視されているマイクロプラスチックとして海に残留することなく、分解され自然に還るため、環境への負担を軽減できます。
※これらの取り組みは、
環境省「令和2年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」
水産庁「令和2年度農林水産分野における持続可能なプラスチック利用対策事業」
水産庁「平成30年度・令和元年度漁業における海洋プラスチック問題対策事業」
の一部として実施しているものです。
不要になった漁網(廃棄漁網)を回収して、漁網などの製品に再利用する取り組みを行っています。
将来的には、海洋資材(漁網・ロープ等)のリサイクルチェーンを完成させ、海洋ゴミや二酸化炭素排出量削減を含めた環境への負担軽減を目指します。
※これらの取り組みは、
環境省「令和2年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」
水産庁「令和2年度農林水産分野における持続可能なプラスチック利用対策事業」
水産庁「平成30年度・令和元年度漁業における海洋プラスチック問題対策事業」
の一部として実施しているものです。
化石燃料の高騰や漁業就労者の高齢化など漁業環境を取り巻く変化に応じた漁網漁具を新規設計・開発しています。また、漁網漁具の適性に優れたUC(Ultra Cross)ネット、大目合および高強力繊維を活用した省エネ・省力漁具の設計・開発や、流体力特性に優れた異形組紐ロープ(低抵抗性能を有する)、地球環境との調和を実現できる生分解性網糸・ロープを開発しています。
優れた流体力特性を有するオッターボード(トロール漁具の拡網装置)を開発しました。従来のオッターボードと比較して約1.5倍の拡網性能を有す特長を活用して、流体抵抗の低減(省エネ)と小型化(省力)を実現しました。
※平成24年度新たな農林水産政策を推進する技術開発事業「小型底曳網漁業における省力・省エネ化技術の開発と普及」における国立大学法人東京海洋大学・胡夫祥教授、東海正教授他との共同研究開発。
水産資源と漁業調査を簡易に行えるサンプリング・ギア(採集具)を開発しています。網口の拡網装置に布地を利用した柔構造拡網装置(カイト)を取り付けた軽量型トロール漁具はトロール網の網地にモジ網を用いることで仔稚魚の採集に効果を発揮します。
※国立大学法人東京海洋大学・胡夫祥教授との共同研究開発。
曳行式実験水槽(長さ100m×幅5m×深さ1.5m)におけるトロール漁具の模型実験では、トロール網の流体力特性、網口寸法および網成り(形状)を計測することができます。また側面、上面、網口前面など多方向からの観察や、拡網装置や曳航索(ワープ)を取り付けた実験が可能で、トロール漁具全体の特性も評価できます。トロール漁具における海中選別装置(魚体長選別)や混獲防止装置(保護生物や有害生物等)の設計開発にも活用されています。
垂直循環式回流水槽(観測部の長さ8m×幅4.5m×深さ1.6m)におけるまき網漁具の模型実験が可能です。まき網漁具における網裾の沈降特性、網成り(形状)、浮子綱形状および環巻き(パースラインの巻き取り)時の張力変化の計測や、側面と上面からの観察が可能で、潮流、漁場水深、投網位置、ロープ類の巻き取り速度を任意に調整することで、実操業の条件に合致した実験を実現します。
漁網漁具の水中における形状や、発生する張力変化を推定するための数値計算とその結果を用いたアニメーションを確認することができます。設計要素のパラメータ(網地・ロープ材質、縮結、浮沈力など)を変化させて、網漁具の性能を確認する漁具設計ツールのひとつで、魚群行動に関するアルゴリズムを利用した網漁具の漁獲効率推定にも利用されています。
※韓国・釜慶大学校水産科学大学・李春雨教授との共同研究開発。
漁船における船上活〆スルメイカ生鮮魚を開発しています。洋上で釣り上げられたスルメイカの星状神経節をイカカッチャ器※で切断することで、ATPの減少抑制と死後硬直遅延により鮮度保持を実現しました。
※(株)フジワラ製
※農林水産省「平成28年度地域資源を活用した省エネ・省コスト・高付加価値型の水産業・水産化・実証研究」における国立大学法人北海道大学・桜井泰憲名誉教授、北海道工業技術センター・吉岡武也博士との共同研究開発。
水産物をマイナス30度のアルコール・ブライン液で急速凍結することで刺身用冷凍品を生産することができ、イカ類の冷凍品では、解凍時に刺身として求められる透明感を保持することも可能です。
※アルコール・ブライン凍結機OLF:奥井電機(株)製
※農林水産省「平成28年度地域資源を活用した省エネ・省コスト・高付加価値型の水産業・水産化・実証研究」における開発成果。
漁獲物の鮮度保持に求められる塩分濃度と高い粘液度(Ice Packing Factor)を有するシャーベット氷を活用することで、高鮮度・生鮮水産物を開発することができます。漁獲物を迅速に冷却することが可能で、従来の粉砕氷による冷却と比較して、漁獲物量に関わらず一様な魚体芯温を保持させることを実現しました。
※高砂熱学工業(株)製
※農林水産省「平成28年度地域資源を活用した省エネ・省コスト・高付加価値型の水産業・水産化・実証研究」における開発成果。