環境への取り組み

Environmental Activities

方針・考え方

気候変動への懸念、天然資源の持続性、自然災害の拡大など私たちを取り巻く環境課題はより大きく多様化し、企業には課題解決力が強く求められています。このような環境下で「豊かで健康な生活づくり」に「食」から「住」の分野までサポートする当社では、食品・海洋・機械・資材の各事業において、自然環境および環境資源に配慮し、確かな技術とサービスで持続可能な社会の実現に貢献しています。

水産資源の保全

マリンエコ・ラベル(MEL)の取得

当社は水産資源と生態系の保全・トレーサビリティの確立を通じて、海洋環境に配慮した、持続的で安全な食の提供に努めています。その一環として宮城県産養殖銀鮭加工品の流通加工段階において、マリン・エコラベル・ジャパン協議会が運営するMEL認証を2021年5月に取得しました。
マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)は、将来の世代にわたって最適な利用ができるよう資源と生態系の保全に積極的に取り組んでいる漁業や養殖業を認証し、MELロゴマークを貼付して流通させるものです。また、使命として「日本の水産業の新たな発展とSDGs達成に貢献し『海の豊かさを守る』ことに資する」を掲げています。世界水産物持続可能性イニシアチブ(GSSI)から承認されたMELは、事実上の国際規格として、世界の大手小売業等の調達基準として採用されており、国際的な評価の向上や一層の輸出促進に寄与することが期待されています。
当社グループでは、長年取り組んでいる宮城県産養殖銀鮭において、(株)ニチモウマリカルチャーが生産段階で2020年4月に認証取得しており、当社も認証取得したことで、生産と販売が一体となって持続可能な水産物を供給する体制を実現しています。

MSC CoC認証の取得

MSC認証とは、水産資源と環境に配慮し適切に管理された持続可能な漁業に対するMSC漁業認証と、MSC認証漁業で獲られた水産物が確実に消費者に届くようにするためのサプライチェーンに対するMSC CoC認証から成ります。MSC「海のエコラベル」が付いた水産物は、水産資源や環境に配慮しているとして、独立した審査機関に認証された漁業で獲られたものになります。
当社ではMSC認証の助子、カニ、凍魚の取り扱いのためMSC CoC認証を取得し、原料や加工品として供給しており、それらをとおして水産資源と環境に配慮した持続可能な水産物の提供に貢献しています。

持続可能な社会の実現に向けて

01 Marine environment

特集1海洋環境の保全に向けて

現在、プラスチック由来の海洋ゴミ問題が世界中の海で深刻化しており、魚類をはじめ、ウミガメやクジラなどの海洋生物への影響も甚大です。
当社は次世代により良い環境を受け継ぐべく、生分解性プラスチックを用いた海洋資材の開発をはじめ、環境に配慮した海洋資材の研究開発に取り組んでいます。

網に絡まるウミガメ

水中を漂う海洋ゴミ

増え続ける海洋ゴミ

海洋ゴミ問題の中でも深刻化しているのが、不法投棄や、荒天により流出した漁網や漁具などによる「ゴーストフィッシング」です。ゴーストフィッシングとは、海中に漂う漁網などに海洋生物が絡まり身動きが取れなくなって死亡してしまうことです。
また、海洋航海の障害物となり、船舶の操作性を妨げ、航行を遅延させるといった経済的な損失ももたらします。

生分解性プラスチックを用いた海洋資材

海洋プラスチック問題への取り組み

生分解性プラスチックを用いた海洋資材の研究開発

課題解決に向け、当社は生分解性プラスチックを用いた海洋資材(漁網・ロープの材料、イカ針、タコ壺等)の開発に取り組んでいます。
海洋環境における分解性を有する生分解性プラスチックを用いた海洋資材であれば、損傷あるいは荒天によって海に流出した際にも、近年問題視されているマイクロプラスチックとして海に残留することなく分解され、自然に還るので環境への負担を軽減できるほか、ゴーストフィッシングによる生態系への影響を最小限に抑えることができます。

CO2排出量の削減にも貢献

当社の生分解性プラスチックを用いた海洋資材は、PLA(トウモロコシ由来のポリ乳酸)を主原料として製造しています。PLA由来の海洋資材は、一般的な漁具や漁網と比較しCO2排出量を製造と廃棄を合わせて約60%減少させることが可能です。また、PLAを主原料として製造された海洋資材は石油由来プラスチック製の資材と比較しても漁獲量に差異が無いことが確認されています。引き続き当社では、長年にわたり積み上げてきた知見やノウハウを活かして生分解性プラスチックを用いた海洋資材の開発・実用化を進めていきます。

環境に配慮した製品の開発

ロープにおけるバイオマスマークを業界で初めて取得

当社グループの西日本ニチモウ(株)が開発したバイオマスロープが(一社)日本有機資源協会の発行するバイオマスマーク(認定番号210171)を取得しました。バイオマスマークとは、生物由来の資源(バイオマス)を活用し、品質および安全性が関連する法規、基準、規格等に適合している環境商品の目印です。
バイオマスロープは70%以上を植物由来の原料で製造しており、水産分野において初めてマークを取得したロープ製品となります。この含有率は本協会に認定されている数多くの製品の中でも上位10%に位置する高さであるとして注目されています。これまでのロープは100%石油由来であったことから、石油資源の大幅な削減となるだけでなく、製造から廃棄におけるCO2排出量を減らします。バイオマスロープは、製造時のCO2排出量を従来品と比較した際に約3割まで減らすことが可能となります。

また、バイオマスロープはCO2の排出量を削減するだけでなく、原料になる前は植物としてCO2を吸収しているのでトータルで地球のCO2排出量を減らすことからカーボンニュートラルにも貢献しています。今後は、使用用途を海洋だけでなく公園の遊具や登山道の柵など陸上分野でも拡大していくことを目指しています。

※バイオマスマークは生物由来の資源(バイオマス)を活用し、品質および安全性が関連する法規、基準、規格等に適合している環境商品の目印です。

バイオマスロープ(FY型)

資源循環への取り組み

廃棄漁網のリサイクルによるCO2排出量の削減

生分解性プラスチックを用いた海洋資材の開発の他に、不要になった漁網を回収し、プラチック製品の原料に再利用する取り組みを行っています。また、将来的には漁具資材のリサイクルチェーンを完全に循環させることを目指しています。漁網をリサイクルすることで原料調達・生産と廃棄を合わせた排出量を約10%~20%削減できる見込みです。これからも資源循環への取り組みを続け、CO2排出量の削減をとおして海洋環境の保全に貢献していきます。

02 Aquaculture business

特集2未来を見据える養殖事業

漁業は地球温暖化、海水温度の上昇などによって今後も厳しい状況が続くと予想されています。当社は養殖が盛んになる以前から銀鮭の養殖を手掛けてきました。約40年にわたり培ってきたノウハウや情報、それを使いこなす人材・組織といった経営資源を活かし養殖事業に力を入れています。

種苗投入風景

「浜から食卓までを網羅し繋ぐ」を
具現化した養殖事業

当社はグループ内で養殖事業を推進しており、当社グループや地元漁業者と連携し生産から販売まで行っています。養殖資材全般を供給している西日本ニチモウ(株)、卵や養殖用種苗、餌料などを取り扱う(株)ニチモウマリカルチャー、岩手県久慈市や宮城県女川・石巻などで地元漁業者と協力して養殖を行う当社、そして販売を担うニチモウフーズ(株)などが連携して川上から川下まで展開しています。

九州最大規模のサーモン陸上養殖場の事業化に向けて「フィッシュファームみらい合同会社」を設立

閉鎖循環式陸上養殖場の完成イメージ

当社と九州電力(株)、西日本プラント工業(株)、(株)井戸内サーモンファームの4社は、九州電力(株)豊前発電所内敷地(福岡県豊前市)を活用した九州最大規模のサーモン陸上養殖場として、2021年10月1日付で、「フィッシュファームみらい(同)(FFみらい)」を共同で設立しました。陸上養殖は、陸上で魚を養殖するため、海水温度をはじめ環境に左右されにくく、常に魚の成長に最適な環境にコントロールでき「通年で養殖」が可能なことが特徴です。1年を通して養殖できることで、安定した供給を実現でき流通の面からも高く注目されています。
また、糞による環境汚染を抑制する餌の使用や、バクテリアなどの生物を活用した排水処理を行うことで海洋環境を保全しながら食糧生産を行い、SDGsの達成に貢献していきます。

社会的かつ環境改善事業として最高評価を受けたサーモン陸上養殖事業

FFみらいは、サーモン陸上養殖事業において、(株)日本格付研究所(JCR)から、「JCRサステナビリティローン・フレームワーク」における最高評価の「SU1(F)」を取得しました。
海洋汚染の防止、生物多様性の保全といった環境改善効果に加え、持続可能な食糧供給など社会的便益をもたらし、管理・透明性も含め、各種の原則等の基準を満たしているとして、JCRから最高評価をいただきました。FFみらいおよび出資4社は、引き続き、本事業を通じて食糧の安定供給・海洋資源の保全等、社会・環境の両面から、社会課題解決に取り組んでいきます。

軽石被害の解消に向けて

当社は2021年11月に沖縄県国頭村の漁港における軽石被害の解消に向けた取り組みを行いました。長年漁業・水産業に携わってきた経験とノウハウでより効率的かつ迅速な対応に向け、漁業組合や協力各社と連携し、共同で軽石回収装置を開発しました。この装置の使用により効率的に回収できることを確認し、また国頭村周辺の漁港内での回収の経験を活かし、漁港のみならず海岸やサンゴの棲息海面を覆う軽石の回収も検討しています。
今後も、各諸団体や漁業・水産業に携わる方々と協力し、自然災害などに起因する漁業被害に対する迅速な解決に向けた対応を行っていきます。

省エネルギー設備・環境配慮設備の導入

熱交換式フライヤーを用いた厚揚げ製造機

当社は環境に優しい省エネルギー設備・環境配慮設備の導入を進めています。例えば厚揚げ製造ラインでは、豆腐を揚げるフライヤーに熱交換式を採用することで、従来からある直火式と比較して40%以上も熱効率に優れ、ランニングコスト削減・省エネルギー化およびCO2排出量削減を実現しています。
また、調理時に発生する水蒸気や油煙を除去する装置を供給し、工場外に排出される臭気を軽減させることで地域の生活環境の保全にも貢献しています。