当社は、変動する経済環境に対応した迅速な経営意思の決定と、経営の健全性を図ることによって株主価値を高めることを重要な課題と考えており、これを実現するために、株主のみなさまをはじめ、取引先、地域社会、従業員といったステークホルダー(利害関係者)との良好な関係を構築するとともに、取締役会、執行役員会などの各機能を強化・改善しながらコーポレートガバナンスの充実を図っています。
取締役(監査等委員である取締役を除く。)6名、監査等委員である取締役が4名(内3名は社外取締役)で構成されています。原則として毎月1回開催され、法令、定款および社内諸規定に従い重要事項を決定するとともに、監査等委員である取締役により業務執行状況を監督しています。
活動実績
年度 | 開催回数/出席実績 |
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2023年度 | 全16回/全取締役出席:16回 |
2022年度 | 全16回/全取締役出席:16回 |
4名の監査等委員である取締役(内3名は社外取締役)で構成され、原則として毎月1回開催されています。取締役(監査等委員である取締役を除く。)ならびに執行役員の業務執行を厳正に監査し、また、内部監査室等の管理部門や会計監査人との情報交換に努め監査の実効性を確保しています。
活動実績
年度 | 開催回数/出席実績 |
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2023年度 | 全14回/全監査等委員出席:14回 |
2022年度 | 全14回/全監査等委員出席:14回 |
取締役会の任意の諮問機関として設置され、4名の取締役(内3名は社外取締役)で構成されています。取締役の指名、報酬に関する重要事項等の決定に際し、社外取締役の適切な関与・助言を得ることにより、独立性・客観性と説明責任を強化し、当社のコーポレートガバナンス体制の一層の充実を図ることを目的としています。
活動実績
年度 | 開催回数 | 主要な決議事項 |
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2023年度 | 3回 | 取締役の選任/解任に関する事項、執行役員の選任および解任に関する事項、取締役の報酬等の内容など |
2022年度 | 3回 |
当社取締役の報酬等は、創業以来の経営理念である「会社は社会の公器であるとの精神に立ち、業界をリードする技術とサービスをもって広く社会の発展に貢献する」ことに則り、企業価値の向上および株価の上昇への貢献度等の対価として決定するものとすることを基本方針とし、基本報酬、業績連動報酬等としての賞与、非金銭報酬等としての株式交付信託による株式報酬で構成しています。
基本報酬 | 月例の固定報酬とし、役位ごとの業績への貢献度、経営状況、社会情勢、世間水準等を勘案の上、決定するものとします。また、監査等委員である取締役の報酬については、基本報酬のみとし、株主総会にその総額の上限を上程し、決議された範囲内で監査等委員である取締役の協議により決定しています。 |
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業績連動報酬等としての賞与 | 役位ごとの業績への貢献度、社会情勢、世間水準等を勘案の上、業績評価指標に基づき、決定するものとします。なお、業績評価指標の算定方法は、当社として特に重視する指標である経常利益を基礎数値とし、中期経営計画や事業年度の達成状況により算定します。 |
非金銭報酬等としての株式交付信託による株式報酬 | 報酬と当社の株式価値との連動性をより明確にし、取締役が株価の変動による利益・リスクを株主と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的として、1事業年度あたり15,000ポイント(1ポイント=1株)を上限に、役位ごとへの業績への貢献度等に応じたポイントを付与するものとします。なお、原則として取締役の退任時に付与された累積ポイントに応じた株式を交付※するものとします。
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当社取締役の基本報酬(金銭報酬)、賞与(業績連動報酬等)および株式交付信託による株式報酬(非金銭報酬等)の個人別の割合は、役位ごとの業績への貢献度、経営状況、社会情勢、当社と同程度の事業規模や関連する業種・業態に属する企業の報酬水準等を勘案し、右記を基準としています。
当社は、取締役会の機能を向上させ、ひいては企業価値を高めることを目的として、取締役を対象とした第三者機関による取締役会の実効性評価に関するアンケートを年1回実施しており、集計結果を取締役会にて報告しております。
取締役会の構成や運営方法、審議状況、社外役員との連携の状況など、取締役会に関連する全般的な事項について
匿名性を確保するため、調査結果の回収・集計・分析を外部機関に委託しております。
2022年度
おおむね肯定的な評価が得られており、取締役会の実効性は確保されているものと認識しております。
前回の調査の結果で認識された取締役会の構成の検討(社内取締役と社外取締役の比率、ジェンダーや国際性の面での多様性確保)と取締役会の機能の更なる向上にむけた役員のトレーニングについては引き続き課題があると認識したほか、内部監査部門との連携など、取締役に対する支援体制について新たな課題があると確認しました。
2023年度
前年の結果よりも高い評価が得られており、引き続き取締役会の実効性は確保されているものと認識しております。
過去の調査の結果で認識された取締役会の構成の検討(社内取締役と社外取締役の比率、ジェンダーや国際性の面での多様性確保)や役員のトレーニングについては、本年度の対応により改善されていることが確認され、子会社を含めたグループ全体の内部統制システムの構築・運用状況の監督・監視については、今後更に強化する必要性を感じていることを確認しました。
今後も、本評価で抽出された課題について十分な検討を行った上で迅速な対応に努めるとともに取締役会の機能を高める取り組みを継続して進め、コーポレートガバナンスの一層の充実を図ってまいります。
また、サステナブル経営の推進による持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
水産業を取り巻く事業環境が大きく変わる中で、ニチモウの海洋事業も大きな変革が求められています。
海洋事業の今後の展開について、菊池社外取締役、平田社外取締役、明石社外取締役と、青木社長が語り合いました。
社外取締役 監査等委員
菊池 達也
社外取締役 監査等委員
平田 淳
社外取締役 監査等委員
明石 仁成
代表取締役社長 社長執行役員
青木 信也
■ 青木
まずは、ニチモウの海洋事業の現状についてですが、気候変動や環境汚染などの環境課題が地球規模で深刻化しています。その影響を真っ先に受けているのが海洋事業です。食品、機械、資材といった事業への影響もありますが、水産業に深く関わる事業を展開する海洋事業は、環境課題の深刻さと事業に対する影響の大きさを身に沁みて感じます。近年、水産業ではサステナブルな事業へのパラダイムシフトが起きており、これまでの水産業が大きく変わりつつあります。ニチモウが現在進めている第137期中期経営計画でも、サステナブル経営は大きなテーマです。海洋事業で言えば、漁船漁業が頭打ちとなる中での「養殖」の推進と、脱炭素社会への動きや海洋汚染抑制の動きを受けた、漁網などでの「環境系資材」の活用が重要な課題になりつつあります。長い目で見れば、これら2つの課題は今後ますます重要度が高まっていくと考えられますが、足もとではまだまだ試行錯誤の状態にあります。
海洋事業の舵取りが難しいのは、水産業で見られるこうした新たな動きに対応しながらも、ビジネスとして既に成立している事業にも注力する必要がある点です。2つの課題を同時に進めていくことは容易ではなく、担当者にも大きな負荷がかかりますが、5年、10年といった長いスパンでの事業を見据えれば、ここは何としても飛び越えなければいけないハードルと捉えています。
■ 菊池
昨年のサステナビリティレポートでも触れましたが、日本は四方を海に囲まれた世界に冠たる海洋国家です。過去においても、これからも日本が世界で生き残っていくためには、海洋資源の有効活用が鍵を握っています。ニチモウは海洋資源を活用する人々を支えることで、企業価値に変えていく企業の一つと言えます。
青木さんの説明とも重なりますが、海洋資源が直面する課題として、私は3つあると考えています。「地球温暖化」「水産資源の枯渇」「海洋汚染」の3つです。地球温暖化への取り組みについて、ニチモウはTCFDの取り組みに賛同し、情報開示に努めています。また水産資源の枯渇に関しては養殖魚種の種苗や餌料の提供で貢献しており、海洋汚染への対応として、漁網の回収・リサイクルや、生分解性プラスチックを用いた海洋資材の開発に努めています。
■ 平田
お二人の話にあった養殖は、ニチモウにとって重要な事業です。養殖業の支援策として、令和3年に農林水産省が「養殖業成長産業化総合戦略」を打ち出すなど、国策としても進められています。陸上養殖に関しても、様々な業種の企業が続々と参入しており、競争が激化しています。ニチモウは、長らく海洋事業を展開してきた経験と知見を持つ企業として、陸上養殖の分野でもフロントランナーであり続けるべきだと思います。青木さんに伺いたいのですが、競争の激化など、特に陸上養殖を取り巻く事業環境が大きく変わる中で、どのような事業を展開していく考えでしょうか。
■ 青木
平田さんのご指摘のとおり、陸上養殖のビジネスには多くの企業が参入しはじめています。重要なことは、スピード感を持って取り組むことと、事業規模を確実にスケールアップさせていくことです。ニチモウは2021年、九州電力など3社と手を組み、「フィッシュファームみらい合同会社」を設立しました。同社は現在、九州最大規模のサーモン陸上養殖事業を運営する会社となっていますが、いわゆるオープンイノベーションを通じて陸上養殖事業を展開しています。市場の拡大が見込まれる中で、資金は比較的集めやすいのですが、どのようにして生育するのか、育てた魚を誰にどうやって売るのかなど、養殖事業の実務面での知見やノウハウを持つ企業は限られています。ニチモウの養殖事業には約40年の歴史があり、試行錯誤の中で、これまで多くの学びを得てきました。同社でのオープンイノベーションの場でも、養殖後の魚の流通や加工を含め、ニチモウの知見やノウハウが大いに役立っています。こうした成功事例も広まり、全国の様々な企業から協業の相談を受けるようになっています。社会的な期待や要請が高まる中で、ニチモウが果たすべき役割は日々高まりつつあります。
■ 明石
私は計測機器商社の代表を務めていることもあり、全国各地へ出向くことが多いのですが、ニチモウの知名度が急速に高まっていることを感じます。ただもう一歩、努力が足りないなと感じるのが、社名を知る人は増えたものの、何をしている会社かまでは認知されていないという点です。会社の事業が認知されていなければ、どんなに社会に役立つ新商品を開発しても、それを手に取って使ってみようという気になりません。
ニチモウの海洋事業では、海洋汚染や地球温暖化の抑制に配慮して、漁網など石油由来のプラスチック製の海洋資材を、バイオ・生分解性素材を用いた資材に置き換える動きを加速させています。バイオ・生分解性素材を使った漁網やロープは、洋上風力発電に使われる風車の根固め材としても活用されています。ニチモウの製品は、実はいたるところでサステナブルな社会の実現に貢献しているのです。ニチモウが海洋をテーマとしたビジネスチャンスに恵まれていること、そのチャンスを活かすことができることを、もっと多くの人々に知ってもらうことが重要です。
■ 菊池
そのとおりです。ニチモウが開発するバイオ・生分解性素材は、サステナブルであることが大前提となるこれからの社会に極めて適した素材だと思います。ただ現状は、こうした素材の開発を進めていながら、その価値を周知し、拡販していく営業部隊が未整備であるといったケースが散見されます。生分解性の発泡スチロールもその一例です。このような優れた素材でビジネスチャンスを捉えることを、ぜひ積極的に進めてほしいと思います。そうすれば、ニチモウはもっともっと元気で知名度の高い会社になれるはずです。
■ 青木
貴重なご助言に感謝します。近年、洋上風力発電の事業者様からニチモウの製品を使いたいという声が高まっています。その背景の一つには、ニチモウが海洋資材だけでなく、水産物の流通や加工を通じて地域経済を支えていることがあるようです。洋上風力発電設備の入札時に、地域振興の観点が一つの評価軸になるというのがその理由です。生分解性の発泡スチロールについては、確かに優れた素材なのですが、コストダウンがなかなか進まない点に課題があり、営業部門が二の足を踏んでいるというのが実情です。環境・社会への貢献のためにも、解決すべき重要課題であることは認識しています。
このほかにも、漁業従事者の高齢化が進み、漁獲量が細る中で、流通や加工ラインに乗らない未利用の水産物が増えていくという課題があります。未利用の水産物は結果的に廃棄されてしまうことも多いのですが、こうした社会課題の解決もニチモウの仕事だと思っています。食品事業のスタッフと連携を取りながら解決策を模索しています。現在、ニチモウフーズが小さな居酒屋を経営していますが、例えばサステナブルな海洋資材を使って漁獲した水産物や、流通・加工されない未利用魚を調理してお客様にお出しするような、ニチモウらしいサステナブルなアンテナショップをつくることが、私自身の夢でもあります。
■ 平田
アンテナショップのアイデアはとても面白いと感じます。クロマグロの養殖を成功させた大学でも、店舗を設けて食材を提供しています。店舗運営では工夫を凝らし、大手飲料メーカーに運営を委託していると聞きます。ニチモウも工夫を凝らし、チャレンジしてみる価値は十分にあると思います。
■ 青木
漁業従事者の高齢化が進み、地域の水産業が衰退していくことを危惧するのは、私や同世代の社員ばかりではありません。こうした状況を何とか打破したいと考えている若手社員も多くいます。こうした若手社員の多くは、解決に向けて様々なアイデアも出してくれています。中には実現が難しいと感じるものもありますが、頭ごなしに否定することはせず、根気強く寄り添いながら、実現への道を探すよう心掛けています。冒頭でも話しましたが、水産業ではパラダイムシフトが起きています。些細なことであっても現場から声を拾い、ニーズを拾い続けることが成果に繋がると信じています。20代、30代の社員の声に耳を傾け、若手社員が今何をしたいのか、ニチモウという会社をどのような会社にしたいと考えているのかを知ることで、進むべき道も見えて来るように思います。我々の世代が率先して、こうした若手社員が担うべきニチモウの未来像を描き、それを実現させた上で次世代にバトンを託す日が来ればよいと考えています。
■ 明石
素敵な考え方です。ニチモウには若くして能力も高く、ポテンシャルに富んだ社員が多くいます。こうした人材の価値を更に高めるためにも、人的資本に対する投資はもっと積極的に行うべきです。能力が高くポテンシャルを感じる人材でも、仕事に対するモチベーションや、仕事に向き合う姿勢が十分とは言えない人もいます。こうした人材を奮起させることができれば、それぞれの能力と思いが掛け算となり、ニチモウは今以上に高いパフォーマンスを発揮できる会社になれると思います。
■ 青木
若手社員の持つ旺盛な馬力にはいつも感服させられます。地元の漁業関係者の方々と良好な関係を保ち、信頼関係を築くことも上手です。ただ一方で、変化に適応していくことをためらう社員も多いと感じます。市場環境が激しく変わっていく中で、少しずつでも、旺盛な馬力の使い途を変えていく努力をしてほしいと思います。もちろん我々のような管理者も、そうした努力を促すように努めます。
■ 青木
若手社員にバトンを託すまでに、解決しておくべき課題はたくさんあります。ニチモウには現在、海洋事業を含めて4つの事業があります。それぞれに歴史があり、強みもあるのですが、事業間の横連携がまだまだ希薄であると言わざるを得ません。私が長く携わってきたギンザケの養殖事業のように、海洋事業と食品事業とがうまく連携できているプロジェクトも在しますが、全体を見渡せばまだまだ足りません。現場の担当レベルでの課題もありますが、経営レベルで明確な方針を打ち出すことも今後の課題であると思います。
■ 菊池
青木さんの指摘は共感できます。縦割り意識が強いと、事業横断的なビジネスチャンスを見逃してしまう、あるいはつい見て見ぬふりをするようなことが起きがちです。これでは会社にとって大きな損失です。海洋に関するビジネスチャンスはニチモウが必ず拾う、海洋国家である日本の繫栄に自分たちが貢献していくという気概を社員一人ひとりが持てるようになれば、組織も人材も更に強くなれると思います。これからのニチモウは、そのような会社になってほしいと願っています。
■ 平田
社外取締役としての立場で言えば、より多くの機関投資家にニチモウの魅力を知ってほしいと思います。例えば海外の機関投資家に対するIR活動として、ニチモウの商品を手に取ってもらったり、水産物を食べてもらったりする機会を設けてみてはいかがでしょうか。工場見学なども良いと思います。海外の投資家も、日本の水産物や魚料理にはきっと興味を示してくれるはずです。
■ 青木
社外取締役のみなさまの温かい助言に深く感謝します。水産業におけるパラダイムシフトが進む中で、ニチモウの海洋事業も変わる必要があると、あらためて感じました。私たちのお客様は、もはや漁業従事者だけではありません。これからは、より多くの方々にニチモウという会社、ニチモウの商品の素晴らしさを知ってもらう必要があります。そのためには、まずはニーズに合った価値ある商品を提供することで、お客様や社会に貢献することが不可欠です。そうすることでニチモウの知名度やブランド価値も高まり、我々の商品に目を向ける人も増えることでしょう。こうした好循環を生み出せるよう、これからも努力を続けます。本日はありがとうございました。
当社グループは、法令遵守はもとより「ニチモウグループ企業行動憲章」に定められた事項をはじめとする企業倫理・社会規範を徹底し、企業の社会的使命を果たすために「コンプライアンス・プログラム」を推進していきます。
コンプライアンス体制の基礎として、経営理念に基づき「ニチモウグループ企業行動憲章」および「コンプライアンス規程」を定め、グループ全社員に配布・周知し、取締役自らが率先垂範の上、グループ全体でその徹底を図っています。また、代表取締役社長を委員長としたコンプライアンス委員会を設置し、「コンプライアンス・プログラム」を維持・推進する組織として運用を行っています。
組織的または個人による不正・違法・反倫理的行為について、その事実を会社として速やかに認識し、違法行為等による会社の危機を極小化かつ早期に解決する体制として、コンプライアンス担当役員が責任者となり、通報者を保護するための「内部通報制度規程」を設けた上で、内部通報制度を運用しています。
当社における内部統制は、その取り組みを通じて、業務の効率化と業務品質の向上に結びつけることにより、取締役の職務執行の適法性・効率性、更には財務報告の適法性を高め、適切な開示を行うことを目的としています。また内部統制の目的を達成するために、「統制環境」「リスクの評価と対応」「統制活動」「情報と伝達」「モニタリング(監視活動)」「IT(情報技術)」の6つの基本的要素への対応が組み込まれた業務プロセスを整備し、その業務プロセスを確実に実行させる体制を整備しています。
当社グループは、「リスク対策規程」を定め、企業経営に関わる危機、リスクについて基本的な対策を整備し、発生したリスクを極小化かつ早期に解決することとしています。問題が発生した場合の対応として「危機管理のガイドライン」を定め、不測の事態が発生した場合は、迅速な対応を行い、損失の拡大を防止する体制を整えるものとします。
災害時におけるBCPマニュアルを全社員に配布・周知し、いつでも確認・対応できるような体制を構築しています。
また、各種感染症の感染拡大時や地震などの災害時には対策本部を立ち上げ、マニュアルに則り従業員の安全確保と事業継続の対応を進めています。
食品製造に関しましては、当社が責任をもって商品を供給するために食品品質管理室が主導となり、品質管理体制の構築・維持管理を徹底し、国内外すべての当社グループと協力工場で点検を行っています。工場の製造ライン、従業員の管理、各種帳簿等多岐にわたり、当社の求める基準をクリアしない場合には、当社の商品を生産することができません。異物混入をはじめとするお申し出については、事業に多大なるダメージを与えることから原因を究明し、即時改善の上引き続き、品質管理や従業員教育を徹底していきます。
現在、当社グループの事業領域におきましても様々なサプライチェーン上のリスクに晒されています。ウクライナ情勢の長期化・中東情勢の緊迫化などの地政学リスクや、急激な為替の変動などにより、原材料やエネルギーの調達難・価格の高騰などが挙げられますが、それぞれ多様な販売ルートの活用や、調達地域の分散、リスクに応じた適正在庫の管理などの対応策を講じています。また、当社グループのリスク管理体制については適宜監査を行い、見直しを図っています。
当社グループは「情報セキュリティ管理規程」を定め、情報システムの安全かつ合理的な運用および、個人情報や企業秘密等の情報資産の保護を図るために、必要な情報セキュリティを整備しています。
情報資産を脅威から保護し、適切な管理の下に安心して利用できる状態にすることを情報セキュリティと定義し、「機密性」、「完全性」、「可用性」を保証することとしています。
また、当社グループの情報システムの適切な運営を図るため、管理部門管掌役員を委員長とした「情報システム運営委員会」を設置し、情報システムに関する規程や組織・運営体制などを適宜見直し維持・推進する体制をとっています。
当社では、第137期中期経営計画で掲げるサステナブル経営の推進における具体的な取り組みの一つとして、気候変動問題を重要な経営課題として認識し、2023年4月にTCFD提言へ賛同を表明しました。加えて、取締役会の監督のもと「内部統制委員会」にてTCFDが提唱するフレームワークに則り、シナリオ分析の手法を用いて、将来的に気候変動が当社グループの事業にもたらすリスクと機会の影響度評価を実施しています。今後、財務に及ぼす影響の開示を含め取り組みを拡充いたします。気候変動への対応(TCFD提言に基づいた情報開示)の詳細はこちらをご覧ください。