当社は、変動する経済環境に対応した迅速な経営意思の決定と、経営の健全性を図ることによって株主価値を高めることを重要な課題と考えており、これを実現するために、株主のみなさまをはじめ、取引先、地域社会、従業員といったステークホルダー(利害関係者)との良好な関係を構築するとともに、取締役会、執行役員会などの各機能を強化・改善しながらコーポレートガバナンスの充実を図っています。


取締役(監査等委員である取締役を除く。)6名、監査等委員である取締役が5名(内4名は社外取締役)で構成されています。原則として毎月1回開催され、法令、定款および社内諸規定に従い重要事項を決定するとともに、監査等委員である取締役により業務執行状況を監督しています。
活動実績
| 年度 | 開催回数/出席実績 |
|---|---|
| 2025 | 全16回/全取締役出席:16回 |
| 2024 | 全16回/全取締役出席:16回 |
活動実績
5名の監査等委員である取締役(内4名は社外取締役)で構成され、原則として毎月1回開催されています。取締役(監査等委員である取締役を除く。)ならびに執行役員の業務執行を厳正に監査し、また、内部監査室等の管理部門や会計監査人との情報交換に努め監査の実効性を確保しています。
活動実績
| 年度 | 開催回数/出席状況 |
|---|---|
| 2025 | 全14回/全監査等委員出席:14回 |
| 2024 | 全14回/全監査等委員出席:14回 |
活動実績
取締役会の任意の諮問機関として設置され、5名の取締役(内4名は社外取締役)で構成されています。取締役の指名、報酬に関する重要事項等の決定に際し、独立社外取締役の適切な関与・助言を得ることにより、独立性・客観性と説明責任を強化し、当社のコーポレートガバナンス体制の一層の充実を図ることを目的としています。
活動実績
| 年度 | 開催回数 |
|---|---|
| 2025 | 2回 |
| 2024 | 2回 |
主要な決議事項
サステナビリティ推進委員会は、代表取締役社長が委員長となり、取締役会の決議により選定された委員で構成されています。本委員会では、サステナビリティに関する方針を策定し、本方針に基づく重要課題(マテリアリティ)の特定、目標設定および進捗の確認を行い、定期的に取締役会に報告を行います。
活動実績
| 年度 | 開催回数 |
|---|---|
| 2025 | 4回 |
| 2024 | 4回 |
主要な決議事項
独立社外取締役の選任については、会社法の定める社外取締役の要件および東京証券取引所が定める独立性基準に基づいています。また当社では、他社において長年の業務経験を通じた幅広い見識をもとに、当社経営の適法性および妥当性を監督するとともに、企業統治体制の更なる向上に寄与する人物(候補者)を社外取締役として選任しています。
| 氏名 | 選任理由 |
|---|---|
| 菊池 達也 (監査等委員) | 経営者としての豊富な経験と幅広い見識をもとに、当社経営の適法性および妥当性を監督していただくとともに、企業統治体制の更なる向上に寄与していただくため、また、指名・報酬諮問委員会の委員としても適切な関与・助言を行うことにより、取締役会の機能の独立性、客観性および説明責任の強化に貢献いただくため、選任いたしました。 |
| 平田 淳 (監査等委員) | 他社において長年の業務経験を通じた幅広い見識をもとに、当社経営の適法性および妥当性を監督していただくとともに、企業統治体制の更なる向上に寄与していただくため、また、指名・報酬諮問委員会の委員としても適切な関与・助言を行うことにより、取締役会の機能の独立性、客観性および説明責任の強化に貢献いただくため、選任いたしました。 |
| 明石 仁成 (監査等委員) | 経営者としての豊富な経験と幅広い見識をもとに、当社経営の適法性および妥当性を監督していただくとともに、企業統治体制の更なる向上に寄与していただくため、また、指名・報酬諮問委員会の委員としても適切な関与・助言を行うことにより、取締役会の機能の独立性、客観性および説明責任の強化に貢献いただくため、選任いたしました。 |
| 吉江 由美子 (監査等委員) | 水産学の専門家としての豊富な経験と幅広い見識をもとに、当社経営の適法性および妥当性を監督していただくとともに、企業統治体制の更なる向上に寄与していただくため、また、指名・報酬諮問委員会の委員としても適切な関与・助言を行うことにより、取締役会の機能の独立性、客観性および説明責任の強化に貢献いただくため、選任いたしました。 |
| 氏名 | 取締役会出席回数 | 監査等委員会出席回数 |
|---|---|---|
| 松本 和明 | 16回/16回 | |
| 青木 信也 | 16回/16回 | |
| 八下田 良知※1 | 5回/5回 | |
| 是村 忠良※1 | 5回/5回 | |
| 土田 祥之 | 16回/16回 | |
| 諏訪部 俊彦 | 16回/16回 | |
| 福井 豊※2 | 11回/11回 | |
| 小島 章伸※2 | 11回/11回 | |
| 山本 敏夫 (監査等委員) | 16回/16回 | 14回/14回 |
| 菊池 達也 (監査等委員) | 16回/16回 | 14回/14回 |
| 平田 淳 (監査等委員) | 16回/16回 | 14回/14回 |
| 明石 仁成 (監査等委員) | 16回/16回 | 14回/14回 |
| 吉江 由美子 (監査等委員) | 16回/16回 | 14回/14回 |
当社グループでは経営理念の達成および持続的な企業価値の向上にむけて、長期的な経営人材の確保・育成について具体的な施策・進捗確認を行う仕組みと計画の策定を進めています。これまでは一般従業員、管理職層、経営層のそれぞれに求める資格等級基準や昇格に必要な研修の設定などにとどまっていました。
今後は指名・報酬諮問委員会での議論とリンクしながらグループ経営の観点からも最適なサクセッションプランの構築に努めていきます。
当社は、取締役会の機能を向上させ、ひいては企業価値を高めることを目的として、取締役を対象とした第三者機関による取締役会の実効性評価に関するアンケートを年1回実施し、集計結果を取締役会にて報告しています。

取締役会の構成や運営方法、審議状況、社外役員との連携の状況など、取締役会に関連する全般的な事項について

匿名性を確保するため、調査結果の回収・集計・分析を外部機関に委託しています。
2024年度
おおむね肯定的な評価が得られており、引き続き取締役会の実効性は確保されているものと認識しています。
前年の結果で課題として認識していた、子会社を含めたグループ全体の内部統制システムの構築・運用状況の監督・監視については、内部通報制度の見直し等により、一定の改善が図られている一方で、実効性を更に高めていくためにも、今後も継続的に取り組むべき課題であることを認識しました。
2025年度
おおむね肯定的な評価が得られており、引き続き取締役会の実効性は確保されているものと認識しています。
本年の結果から新たに、経営戦略や経営計画等における、持続的な収益性確保・資本コストの観点からの定期的な見直しや将来の成長事業への投資に向けた議論について、より実効性を高めていく必要があることを確認しました。
今後も、本評価で抽出された課題について十分な検討を行った上で迅速な対応に努めるとともに取締役会の機能を高める取り組みを継続して進め、コーポレートガバナンスの一層の充実を図っていきます。また、サステナビリティ経営の推進による持続的な企業価値の向上を目指していきます。
当社取締役の報酬等は、創業以来の経営理念である「会社は社会の公器であるとの精神に立ち、業界をリードする技術とサービスをもって広く社会の発展に貢献する」ことに則り、企業価値の向上および株価の上昇への貢献度等の対価として決定するものとすることを基本方針とし、基本報酬、業績連動報酬等としての賞与、非金銭報酬等としての株式交付信託による株式報酬で構成しています。
| 基本報酬 | 月例の固定報酬とし、役位ごとの業績への貢献度、経営状況、社会情勢、世間水準等を勘案の上、決定するものとします。また、監査等委員である取締役の報酬については、基本報酬のみとし、株主総会にその総額の上限を上程し、決議された範囲内で監査等委員である取締役の協議により決定しています。 |
|---|---|
| 業績連動報酬等としての賞与 | 役位ごとの業績への貢献度、社会情勢、世間水準等を勘案の上、業績評価指標に基づき、決定するものとします。なお、業績評価指標の算定方法は、当社として特に重視する指標である経常利益を基礎数値とし、中期経営計画や事業年度の達成状況により算定します。 |
| 非金銭報酬等としての株式交付信託による株式報酬 | 報酬と当社の株式価値との連動性をより明確にし、取締役が株価の変動による利益・リスクを株主と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的として、₁事業年度あたり15,000ポイント(1ポイント=1株)を上限に、役位ごとへの業績への貢献度等に応じたポイントを付与するものとします。なお、原則として取締役の退任時に付与された累積ポイントに応じた株式を交付※するものとします。
|
当社取締役の基本報酬(金銭報酬)、賞与(業績連動報酬等)および株式交付信託による株式報酬(非金銭報酬等)の個人別の割合は、役位ごとの業績への貢献度、経営状況、社会情勢、当社と同程度の事業規模や関連する業種・業態に属する企業の報酬水準等を勘案し、右記を基準としています。
当社は、株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする株式を純投資目的である株式と区分し、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である株式と区分しています。
当社が保有する株式は、取引先との関係の構築・強化や業務提携等の観点から、当社の中長期的な企業価値の向上に資すると判断される場合に、当該取引先等の株式を取得・保有しています。
また、取締役会で毎年個別の政策保有株式について、「保有目的」「取引状況」「配当」などを精査し、保有または縮減を総合的に判断しています。
| 区分 | 銘柄数 貸借対照表計上額 |
2025年度において 株式数が増加した銘柄 |
2025年度において 株式数が減少した銘柄 |
増減の要因 |
|---|---|---|---|---|
| 上場株式 | 17銘柄/9,838百万円 | ― | 1銘柄/4百万円 | 減少: 経済的合理性に基づき判断 |
| 非上場株式 | 7銘柄/14百万円 | ― | ― | ― |
当社の企業価値の向上や株主および投資家をはじめとするステークホルダーのみなさまの中長期的な利益に資するものか等を総合的に判断の上、賛否を行使しています。
就任から2年が経過した青木社長が取締役会議長を務め、取締役会は適切に監査機能を果たしています。
本座談会では、取締役会の更なる実効性向上と企業価値の向上に向けた施策について、4人の社外取締役と青木社長が議論を尽くしました。

社外取締役 監査等委員
菊池 達也
社外取締役 監査等委員
平田 淳
代表取締役社長 取締役会議長
青木 信也
社外取締役 監査等委員
明石 仁成
社外取締役 監査等委員
吉江 由美子

■ 平田
当社の取締役会は、2024年6月から青木社長が議長を務めるようになり、大きく変容したと実感しています。具体的には、審議に先立ち、青木社長から議案の背景などの前提情報や議論のポイントが明確に示されるようになりました。これは議論の質を高める上で極めて有効な手法となっています。その説明は現場に対する深い理解に基づいており、まさに的を射たものです。この2年間、社長自ら「タウンミーティング」として全国の職場を精力的に回り、現場の把握に努めてこられました。その積み重ねが、言葉の端々から滲み出ています。

■ 菊池
取締役会における審議の質は以前から十分に確保されており、青木社長が議長に就任されてからも、そこはしっかり引き継がれています。青木議長のもとで大きく変化を感じるのは、月次の事業報告です。収支状況から在庫の管理状況に至るまで、極めて精緻に報告されるようになりました。こうした丁寧な説明を通じて、執行部門の動きが従来以上に可視化されたと実感しています。

■ 明石
確かに、取締役会の運営は着実に改善しています。青木社長はこれまで、各部門の意見に真摯に耳を傾け、部門間の垣根を低くすることに注力してきました。その結果、現場に対する洞察が深まり、取締役会への論点提示もより洗練されたものになったと感じます。菊池さんのご指摘通り、月次の事業報告も充実しました。今後は更に一歩進め、前月の課題分析や、それらを踏まえた当月の展望を加えていただくことで、議論を更に活性化させることができると思います。
■ 吉江
皆さんとは異なる視点ですが、私は会議資料のデジタル化が進んだことも、議論の深化に繋がったと感じています。これまで紙媒体だった資料がデジタル化されたことで、キーワード検索なども可能となり、より短時間で深く資料を読み込めるようになりました。今後の課題は、資料自体の質を更に高めることです。取締役会の運営自体に不備はありませんが、議論の基礎となる資料には数字の羅列が散見され、読み取るべきポイントや、業績の好転の要因が判別しにくい面があります。
■ 明石
確かに、より深化させた議論を行うためには、資料自体のブラッシュアップが不可欠です。更にその上で、限られた時間の中で議論の活性化を図るには、資料に書き尽くせない行間を読み解くような議論を、より活発に行うことが重要だと考えています。
■ 青木
ありがとうございます。社長就任以来、取締役会の運営を含め、過去の慣習に囚われずゼロベースで取り組むことを心がけてきました。前社長である松本相談役も、こうした私の姿勢を尊重してくれています。現場の把握については、ご指摘いただいたタウンミーティングに加え、各事業の営業会議にも積極的に同席して情報を集めています。月次報告に関しては、ご指摘通りPDCAを意識した内容への改善が必要ですが、単なるトップダウンではなく、報告者の主体性を尊重しつつ、必要に応じで助言や指摘を行うスタンスを貫いています。取締役会の議論については、スピード感を重視して取り組んできましたが、まだ道半ばです。社外取締役のみなさまには、当社の機能が他社に比して劣る点はないか、軌道修正が必要ではないかと、常に自問自答しながら意見を仰ぐようにしています。
■ 菊池
中計のキーワードである「スピードアップ」「パラダイムシフト」は、青木社長がスローガンに掲げ、現場への徹底を図っていますが、まだ十分な成果には結びついていないのが実状です。スピードアップを実現するには、従業員一人ひとりの発想力と行動力の強化が不可欠です。既存の枠組みに捉われない柔軟な発想こそが、迅速な行動の原動力となります。また、パラダイムシフトにはさまざまな側面がありますが、私は、食品事業に偏重した現在の事業ポートフォリオを見直し、海洋・機械・資材の各事業を更に育成することで、バランスの取れた安定的な事業構造を構築することだと捉えています。養殖や洋上風力発電などの環境改善に資する海洋資材の開発には、短期間で結果が出にくい領域もあります。こうした領域では、中長期的な視点を持って、取り組みを確実に広げていくことが肝要です。
■ 平田
おっしゃる通り、スピードアップを実現するには、従来の発想や手法を刷新する必要があります。ニチモウには素晴らしい社風と伝統的な価値観が根付いており、従業員の方々にとって「居心地の良い職場」であるはずです。お客様と接する現場で、長年の伝統を打破することの難しさは、私自身の営業経験からも痛感しています。しかし、その壁を乗り越える風土づくりについては、トップダウンによる強力な発信が不可欠です。社外取締役としても、その姿勢を後押しすべきであると自覚しています。パラダイムシフトにおいても、トップの決断が欠かせません。どの分野で成長を遂げるのかという投資判断はもとより、成長の見込めない領域からの撤退もまた、最終的には社長の英断が必要です。こうした困難な判断が、現在は適切になされつつあると評価しています。
■ 明石
スピードアップを図る上で重要なのは、的確な判断を下すための情報収集です。今後は情報の量・質ともに、更に高めていく必要があります。こうした情報を収集・集約できるのは、他ならぬ営業部門です。営業力の強化こそが、あらゆる意思決定の迅速化を可能にします。これは、商社に長年身を置いてきた私自身が肌で感じることであり、今こそ商社マインドを持つことが重要です。また、各事業部が持つ情報を全社で共有・活用することは、パラダイムシフトの断行や、新規事業の創出にも繋がるはずです。スピードアップには「熱意」も欠かせません。工場や子会社を訪問すると、従業員の方々の熱い想いに触れることができ、その志が具体的な形となって現れれば、自ずと変革のスピードは加速するでしょう。
■ 吉江
社会のパラダイムシフトへの対応も急務です。直近では地政学リスクの顕在化により、化成品分野での原料調達が困難な状況に直面しています。こうした社会全体の急速な変化に対応するためにも、経営や事業の更なるスピードアップが欠かせません。先ほど平田さんが指摘された通り、ニチモウは従業員にとって「居心地の良い職場」である一方、社内の意識変革を加速させるには、経営陣は自社の優位性や魅力を従業員に向けてより積極的に発信すべきです。従業員自身が自社の価値を再認識できれば、求職者の目にも、ニチモウはより一層魅力的な職場として映るのではないでしょうか。
■ 青木
皆さんのご指摘が胸に響きました。菊池さんの言う通り、海洋事業のパラダイムシフトは腰を据えて取り組む必要があり、今は辛抱強く進めるべき時です。養殖や環境資材で非常に野心的な未来を描いたことで、逆に従業員のモチベーションを下げているのではないかと危惧していましたが、背中を押していただき、意を強くしました。こうした長期視点では価値創造に注力しつつ、足元の利益確保や株主還元にも十分に配慮します。
平田さん、吉江さんが指摘された「パラダイムシフトを生み出す職場風土づくり」についてもその通りであり、今後はトップダウンによる発信にも一層力を注ぎます。また、明石さんが説く商社マインドを磨くことの重要性は、私自身も痛感しています。メーカー機能と商社機能の双方を併せ持っていることは、他社にはないニチモウ独自の強みです。この独自性を最大限に活かし、更なる成長に繋げていきたいと考えています。
■ 菊池
資本効率について、事業別の観点で見れば、事業ポートフォリオ強化の際にも申し上げた通り、相対的に利益率の高い海洋、機械、資材の各事業を伸長させ、食品事業の利益率を補完していく体制の構築が必要です。これを着実に進めることが出来れば、機関投資家からの評価も自ずと高まるはずです。一方、リスクについては、吉江さんのご指摘通り、地政学リスクの顕在化に対しスピード感を持った対策を講じることが求められます。例えば食品事業では、アメリカや中国、ロシア、東南アジアなどカントリーリスクの影響を受けやすい地域でのビジネスが多く、危惧していましたが、リスクに対する事業現場の意識は非常に高く、適切にコントロールできていると評価しています。

■ 平田
PBR1倍割れの状態とは、投下資本が適切に活用されていない、あるいは市場からそう見なされていることを意味します。経営資源の有効活用は最終的には経営者の判断に委ねられますが、投下資本を最大化する知恵を絞り、汗をかくことを常に求め続けるのが我々の役割です。ROICの向上については取締役会でも議論を重ねています。資本効率を重視する考え方の浸透はまだ道半ばですが、我々社外取締役も、ROIC経営の定着を積極的に働きかけています。環境変化のリスクについては、市場の前提条件を十分注視した上で経営計画を捉えることが重要です。
具体的には、環境変数が平時から乖離した場合、計画にどのような影響を及ぼすのかを常に考慮し、経営判断を下すように助言しています。環境変化はリスクであると同時に、ビジネスチャンスでもあります。変数リスクを的確に捉えつつ、その影響を多面的に分析し、経営に活かしていくべきです。
■ 明石
足元の業績が好調であるという認識に安住してしまうと、更なる成長の可能性を見誤る恐れがあります。各事業には、より収益性を高められる要素がまだ潜在しているはずです。食品事業は競争が激化し、限られたシェアを奪い合う厳しい環境にあります。一方、機械事業は相対的な利益率は高いものの、現状の水準で満足していない投資家もいるでしょう。食品以外の分野への横展開や、AI、IoTを駆使した高付加価値化の可能性を考慮すれば、機械事業には依然として大きなポテンシャルがあります。リスク面では、菊池さんのご指摘の通り食品事業の不確実性は高いものの、現場の危機管理意識は非常に高く、適切にコントロールし続けることで、継続的な利益創出が可能であると確信しています。

■ 吉江
平田さんのご指摘にもありましたが、PBRやROICの考え方が現場の実働部隊まで十分に浸透しているかという問いに対し、現状ではまだ課題が残ると感じています。これらの指標を詳細に分析すれば、好調な領域と改善の余地がある領域が明確になります。
こうした分析を現場の従業員が主体的に行える仕組みを整えれば、現場主導でPBR、ROICの向上が期待できるはずです。食品事業のリスクについてはみなさんが指摘された通りですが、私自身、複数の工場を見学し、現場でのデータ管理が徹底されていることを確認しました。こうした地道な取り組みを、今後もぜひ継続していただきたいと考えています。
■ 青木
ROICの向上については、いかに効率よく資本を投下し、最大のリターンを得るかが求められます。ただし、想定するリターンには時間軸の概念も重要です。既存事業の深化に資本を投下する部分と、将来の領域拡大を見据えて戦略的投資を行う部分のバランスを最適化することが、重要な経営課題となります。また、経済的価値だけでなく、社会的価値の創出にも配慮することが不可欠です。これらについても、トップダウンの意思決定に加え、現場からのボトムアップで推進することが組織として健全な姿であると考えています。リスクと機会は、平田さんが指摘された通り表裏一体の関係です。
地政学リスクについても、現状の海外オペレーションは、極論すれば「買い(仕入れ)」に偏っており、リスクばかりが顕在化しやすい構造にあります。今後は海外でも着実に売上を立て、より多層的なビジネスモデルを構築していくことが重要だと考えています。
■ 菊池
日本は世界屈指の海洋国家です。海産物を活用した豊かな食文化や洋上風力発電、更には深海のレアアースの価値など、海への注目はかつてなく高まっています。ニチモウは、漁網製造を祖業とした創業期、食品事業を拡大させた第2の創業期を経て、現在は正に「第3の創業期」を迎えています。この激動の時代を勝ち抜くためにも、食品、海洋、機械の3事業を柱に資本効率を高め、成長を遂げる力強いストーリーを完遂すべきです。私も社外取締役として、その実現を全力で支援していきます。
■ 平田
将来のニチモウに期待することは2点あります。1点目は水産資源の安定供給です。我が国の漁獲量が減少傾向にあるなか、ニチモウは陸上養殖を含め、国内外へ資源を安定的に供給するという大きな社会的責務を担っています。我々社外取締役も、その重要性を常に深く認識しておくべきです。2点目は人材です。変化の激しい時代において、多様な能力を持つ人材の確保・育成が不可欠であり、組織を挙げて注力していただきたいと思います。
■ 明石
海洋ビジネスを長年展開してきたニチモウにしかできないこと、ニチモウだからこそ成し遂げられることがあるはずです。食品、海洋、機械という事業の3本柱は、これからの成長が期待できる領域です。こうした領域において、独自の強みを活かした新たなビジネスチャンスを掴みとってほしいと願っています。私自身も社外取締役として、その挑戦と成長を積極的に後押ししていきます。
■ 吉江
海洋の持つ可能性や有効活用の余地を考えれば、ニチモウは海洋ビジネスを成功させ、持続的な成長を果たすべき重要な企業の一つです。単に多様な機能を統合するプラットフォーム企業にとどまらず、100年以上の歴史に裏打ちされた、地に足の着いたモノづくり企業であることも強みです。投資家をはじめステークホルダーのみなさまには、こうしたニチモウの本質的な価値を、より深く理解していただきたいと願っています。

■ 青木
本日の議論を通じて、私の想いを代弁していただいた場面も多々あり、意を強くしました。
ご指摘の通り、人材の確保・育成は当社の将来を決定づける最重要事項の一つであり、「人材こそが最大の成長投資である」という信念に揺らぎはありません。新たなビジネスを創出する原動力も、従業員一人ひとりの人脈や発想の転換から生まれると信じています。
みなさまのおかげで、極めて有意義な対話ができました。本日いただいた貴重な提言を、着実に経営に活かしていきます。
当社における内部統制は、その取り組みを通じて、業務の効率化と業務品質の向上に結びつけることにより、取締役の職務執行の適法性・効率性、更には財務報告の適法性を高め、適切な開示を行うことを目的としています。また内部統制の目的を達成するために、「統制環境」、「リスクの評価と対応」、「統制活動」、「情報と伝達」、「モニタリング(監視活動)」、「IT(情報技術)」、の6つの基本的要素への対応が組み込まれた業務プロセスを整備し、その業務プロセスを確実に実行させる体制を整備しています。
腐敗防止体制の中長期的な改善を目的として、2024年度は内部通報制度の見直しを進めており、新たに社外受付窓口について開設しました。開設前に従業員向けに、社外受付窓口の開設と通報手順の周知、公益通報者保護法についての説明会等を実施しています。2025年度は、当社グループの経営者層を対象とした内部通報実例紹介等の社内教育を実施し、内部通報制度の活用促進に努めました。
また、重要法令については、引き続き取適法(中小受託取引適正化法)等の遵守に取り組んでいます。2026年1月の下請法からの改正情報や内容については、情報を把握次第グループ内関係者に周知し、実務上対応するマネジメント職および担当者向けにe-ラーニングの受講を行うなど、法令遵守を円滑に行うよう準備を進めました。法令遵守については、2026年度以降も当社グループの重要課題と位置付け取り組む予定です。
| マテリアリティ | 主なKPI | ターゲット | 2025年度実績 | |
|---|---|---|---|---|
| 目標値 | 目標達成年度 | |||
| 腐敗防止体制 | 腐敗防止体制の中長期的な改善実施 →内部通報制度の活用促進を目的とした教育活動の実施(他社事例の共有など) |
ー | 2025 | 当社およびグループ会社社長を対象とした社内教育を実施 |
| 内部統制・ 遵法状況点検 |
重大な不正・不祥事の発生件数 →内部通報や監査等を通した不正・不祥事への対応 |
0件 | 2025 | 0件 |
| 重要法令 (取適法等)の遵守 |
・重要法令研修の実施 ・グループ会社を対象とした取適法等遵守の支援を実施 |
1回/年以上 | 2025 | ・関係法令遵守の研修および取適法e-ラーニング研修を実施し、重要法令のインプット・法令遵守意識の醸成を実施 ・取適法等のグループ会社を対象とした支援を実施 |
| 内部通報制度の 運用 |
内部通報制度の適切な運用 →内部通報制度の周知と通報を受けた際の対応 |
ー | 2025 | 通報件数 14件 |
当社グループでは、グループ全社における内部統制の強化と管理機能の向上を目的として、各グループ会社の管理部門担当者が参加する「管理部門会議」を実施しました。本会議では、法令遵守やリスク管理、財務・労務管理などに関する課題や対応事例を共有するとともに、各社が抱える実務上の課題について意見交換を行いました。グループ各社が共通認識を持ちながら管理水準の向上を図ることで、内部統制の実効性を高めるとともに、グループ全体としてのガバナンス強化に繋げています。
また、グループ会社の管理部門所属の従業員が一堂に会することで、会社間の連携強化に加え、日常業務では接点の少ない担当者同士の交流の場としても非常に有意義な機会となりました。顔の見える関係性を構築することで、情報共有や相談がしやすい環境づくりに繋がり、有事においても迅速な連携が期待されます。当社グループでは、こうした取り組みを継続的に実施し、持続的な成長を支える管理基盤の強化に努めていきます。
当社グループは、法令遵守はもとより「ニチモウグループ企業行動憲章」に定められた事項をはじめとする企業倫理・社会規範を徹底し、企業の社会的使命を果たすために「コンプライアンス・プログラム」を推進していきます。
コンプライアンス体制の基礎として、経営理念に基づき「ニチモウグループ企業行動憲章」および「コンプライアンス規程」を定め、グループ全従業員に配布・周知し、取締役自らが率先垂範の上、グループ全体でその徹底を図っています。また、代表取締役社長を委員長としたコンプライアンス委員会を設置し、「コンプライアンス・プログラム」を維持・推進する組織として運用を行っています。
組織的または個人による不正・違法・反倫理的行為について、その事実を会社として速やかに認識し、違法行為等による会社の危機を極小化かつ早期に解決する体制として、コンプライアンス担当役員が責任者となり、通報者を保護するための「内部通報制度規程」を設けた上で、内部通報制度を運用しています。2025年3月期には、改正公益通報者保護法の施行等、関連法令の改正ならびに社会のコンプライアンス意識の高まりに伴う制度の実効性向上を目的とし、当社グループにおける外部通報窓口を導入、浸透施策と合わせて運用を開始しました。

当社グループは、「危機管理のガイドライン」を定め、企業経営に関わる危機、リスクについて基本的な対策を整備し、発生したリスクを極小化かつ早期に解決することとしています。問題が発生した場合の対応として「リスク対策規程」を定め、不測の事態が発生した場合は、迅速な対応を行い、損失の拡大を防止する体制を整えるものとします。
災害時におけるBCPマニュアルを全従業員に配布・周知し、いつでも確認・対応できるような体制を構築しています。また、各種感染症の感染拡大時や地震などの災害時には対策本部を立ち上げ、マニュアルに則り従業員の安全確保と事業継続の対応を進めています。
食品製造に関しましては、当社が責任を持って商品を供給するために食品品質管理室が主導となり、品質管理体制の構築・維持管理を徹底し、国内外全ての当社グループと協力工場で点検を行っています。工場の製造ライン、従業員の管理、各種帳簿等多岐にわたり、当社の求める基準をクリアしない場合には、当社の商品を生産することができません。異物混入をはじめとするお申し出については、事業に多大なるダメージを与えることから原因を究明し、即時改善の上引き続き、品質管理や従業員教育を徹底していきます。
現在、当社グループの事業領域におきましてもさまざまなサプライチェーン上のリスクに晒されています。ウクライナ情勢の長期化・中東情勢の緊迫化などの地政学リスクや、急激な為替の変動などにより、原材料やエネルギーの調達難・価格の高騰などが挙げられますが、それぞれ多様な販売ルートの活用や、調達地域の分散、リスクに応じた適正在庫の管理などの対応策を講じています。また、当社グループのリスク管理体制については適宜監査を行い、見直しを図っています。
当社グループは「情報セキュリティ管理規程」を定め、情報システムの安全かつ合理的な運用および、個人情報や企業秘密等の情報資産の保護を図るために、必要な情報セキュリティを整備しています。
情報資産を脅威から保護し、適切な管理のもとに安心して利用できる状態にすることを情報セキュリティと定義し、「機密性」、「完全性」、「可用性」を保証することとしています。
また、当社グループの情報システムの適切な運営を図るため、管理部門管掌役員を委員長とした「情報システム運営委員会」を設置し、情報システムに関する規程や組織・運営体制などを適宜見直し維持・推進する体制をとっています。
当社グループでは、サステナブル経営の推進における具体的な取り組みの一つとして、気候変動問題を重要な経営課題として認識し、2023年4月にTCFD提言へ賛同を表明しました。加えて、取締役会の監督のもと「サステナビリティ推進委員会」にてTCFDが提唱するフレームワークに則り、シナリオ分析の手法を用いて、将来的に気候変動が当社グループの事業にもたらすリスクと機会の影響度評価を実施しています。気候変動への対応(TCFD提言に基づいた情報開示)の詳細はこちらをご覧ください。