第140期中期経営計画(以下、新中計)の基本的な考え方は“コアビジネス強化と収益構造の安定化の両立”です。これは、漁業・水産業のソリューションパートナーとして、サプライチェーン全体で長期的な観点からサポートし続けるといった“コアビジネスの強化”と、バランスある収益構造へ事業ポートフォリオを再構築するといった“収益構造の安定化”を図るということを表しています。またこれらを実現するための施策としてM&Aも積極的に検討していきます。
加えて、タウンミーティングをはじめとした様々な浸透策を実施し、当社グループ全体に向けて計画・考え方を発信・共有することで、全従業員が理解し一人ひとりが自分事として推進・挑戦する新中計とすることを目指し計画策定を行いました。
01 | 水産業のサプライチェーンをサポート |
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02 | 事業ポートフォリオの再構築 |
03 | 事業拡大に向けた M&Aの積極的な実施 |
新中計の策定につきましては、水産業界に巻き起こるパラダイムシフトおよび予測困難な将来の環境変化にも対応すべく、過去積上型の計画ではなく、未来逆算型の計画へ切り替えました。
具体的には、不変である当社の経営理念を追求していく中で、10年後の未来において実現したい世の中や、ありたい姿をイメージして、「浜から食卓までを網羅し、挑戦の歩みを未来へ」をパーパスに設定、各事業では10年後の事業環境を分析し長期ビジョンを策定、そこから逆算して計画・戦略へと落とし込みを行ってまいりました。そのため今回の新中計期間は、10年後を見据えた、まずは突破口を開くための3年間と位置付けています。
本施策は、利益成長と収益構造安定化を主眼としています。一つ目が前中計までに整備した収益基盤を新中計でもう一段引き上げ、10年後の目標である営業利益77億円に向けて利益成長のスピードを加速度的に引き上げること。二つ目が利益構成の約半分を食品事業に依存している状況から、海洋事業・機械事業のそれぞれの拡大によりバランスの取れた3本の柱で安定した収益構造へ変革することです。
また、10年後における当社の存在意義と、各商材・事業に対してマーケットの拡大予測・当社商材の優位性などを勘案した事業性評価を実施し、4つの領域に分類しました。それぞれの領域に合わせたマネジメントを行い事業ポートフォリオの再構築を推し進めていきます。
重視する経営指標として従来のROEに加えて、ROIC、D/Eレシオも活用していきます。目標として、資本効率の観点を重視するためにROIC4.5%以上、健全な財務体質を維持するためにD/Eレシオは1倍以内としました。
新中計の3年間では営業利益を40億円台へと一段引き上げ、その後の大きな飛躍へ向けた更なる足場固めを行っていきます。
2025年 3月期実績 |
2028年 3月期 目標値 |
2035年 3月期 目標値 |
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売上高(百万円) | 133,900 | 155,000 | 230,000 |
営業利益(百万円) | 3,002 | 4,300 | 7,700 |
経常利益(百万円) | 3,601 | 4,500 | 7,900 |
ROE | 9.1% | 10%以上 | 12%以上 |
ROIC | 4.0% | 4.5%以上 | 6.0%以上 |
D/E レシオ |
1.2倍 | 1.0倍以内 | 0.9倍以内 |
10年という中長期でのキャッシュ・アロケーションの構成イメージは、営業キャッシュ・フローと借入金を活用しながら、積極的な成長投資や株主還元を行っていくこととしています。
新中計における3年間のポイントとしては、10年後の飛躍に向けた成長領域の事業と商材を中心に、積極的な設備投資とM&Aを実施予定であり、追加で借入による外部資金の調達を予定しています。
3年後、10年後に向けた、中長期の配当政策につきまして、新中計期間は、従来通り安定配当を基本方針としつつ、実質累進配当政策は継続し、3年後の2028年3月期までに、配当性向35%以上へ引き上げていきます。また、多くの投資家様からご要望をいただいている株主優待や自社株買いについても実施を検討していきます。
中長期的な視点に立った株主還元策については、業績の動向にもよりますができる限り早いタイミングでの配当性向40%以上、DOE4%以上を目指して、積極的な株主還元を行っていきます。
第140期中期経営計画の詳細につきましては下記資料をご確認ください。
第140期中期経営計画(Breaking Through Toward 2028)策定に関するお知らせ(3.4MB)PDF