食品に限らず、製造業は工場の省人化・自動化がトレンドになっている。ロボットやIoT、AIといったデジタル技術の導入も進んでおり、こうした流れは将来的にも続いていくと予想される。「顧客としても、“新しい設備の導入によってどれだけ省人化できるか”を一番気にされているので、商品説明の際には導入効果がわかりやすく伝わるように意識しています。ただ自動化のニーズはあるものの、市場に出ているロボットはまだ発展途上。今のうちから知識を蓄え、画期的な製品が出たときに提案できるようにしたいですね」ニチモウでは新しい商材や仕入先の開拓も各営業メンバーの裁量で行うことが可能だ。メインとなる仕入先はあるものの、顧客のニーズや世の中のトレンドに応じて、自ら有望な商材を取り扱うことができる。「めぼしい商材を見つけるために展示会にも定期的に足を運んでいます。モノを持たない商社は情報力が武器ですから」

「この仕事の面白いところは、何でも売れるところです」という尾井。餃子を作る機械もあればクレープを作る機械もあり、ラインを効率的に動かすための周辺機器もある。さらに工場建屋の改修や新築にも関わることができ、食品工場全般をプロデュースすることが可能だ。「顧客が食品関連会社なので、必要なら食品事業の担当者を呼んできて水産原料を売ることもできるし、資材事業の担当者を呼び食品を梱包する資材までも売ることが可能です。中華やデザートなど、取り扱い分野も水産食品に限らないので日々変化を感じることができます」営業としてやりがいを感じるのは、自身の介在によって顧客企業の生産性向上に貢献できたときだ。担当者から「おかげで業績が上がった」という言葉を聞くのが喜びになっている。「今後の目標は、工場新築やライン一括受注など、大規模な案件に携わることです。工場の新築ともなれば受注額は10億を超え、期間も数年がかりになります。自身の成長のためにもいつか手がけたいですね」